こんにちは。HANDSスタッフの上野です。
来年の2月からケニアプロジェクトの対象地が新たに2地域増えます。
その新しい地域の状況を把握し、健康問題や住民のニーズを調べるために、現地で基礎調査を実施してきました。
調査のため訪れたシェバラン村で、わたしが見た珍しい光景とは・・・
車で村の入り口まで行き、歩いて調査対象者の家まで向かっていると、同じ方向に牛や山羊が歩いて行くのを見かけました。
日頃から村には牛や山羊はいるのですが、その日に限って、出くわす家畜の数が異常に多く、また、水がどこからか流れてきており、道が水浸しになっていました。
不思議に思い、同行していたケニア人のインターン生に尋ねると、「今日は
カウ・ディップ があるからね。」と言われました。
カウ・ディップ??? 道の奥に広がる小高い丘を見上げると、牛や山羊などの家畜が多く集められており、細長い小屋の前には、牛が列を作ってその小屋に入っていくのが見えました。
せっかくなので、何がおこなわれているか、見学してきました。
▼丘の上に集められた家畜です ▼小屋に列をなして歩いて行く牛たち
小屋に近づいてみると、牛が水しぶきをたてて、泥水に飛び込み、水路を歩いていました。
なかなか飛び込まない牛は、飼い主に後ろから突き落とされていました。
泥水には、消毒液が含まれているらしく、
「こうやって定期的に家畜の皮膚を消毒しないと、熱が出て家畜が病気になってしまうんだよ。」 と調査に同行したインターンが話してくれました。
▼水路を歩く牛(濁流にもまれ無表情に見えます)
一方、山羊は自ら飛び込まないため、足をつかまれ、体を抱えられ、小屋の横から消毒液に投げ込まれます。
▼2人がかりで山羊の消毒にあたります
▼なんとも哀れな恰好です・・・
この日は、牛は800頭、山羊は1500頭集まったそうです。
消毒の値段は、一頭あたり、牛は10ケニアシリング(約13円 1ksh=1.3円)、羊は5シリング、山羊は3シリングとのこと。
ケニア人にとって家畜は大切な財産であり、お金をかけてでも、病気にならないようにケアされています。
また人の健康にとっても、家畜が媒介しての伝染病などから身をまもらねばなりません。
このカウ・ディップは毎週土曜日に行われるらしく、家畜にとっても、飼い主にとっても一大イベントだと感じました。
(ケニア事業調査担当:上野)
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