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パプアニューギニア出張 ~医療を政治から切り離す方法は?~
Apinun!(こんにちは!)
パプアニューギニア事業プロジェクト・マネジャーの寺田です。

今日は活動対象となる二つの診療所のうち、
タンビタニス診療所(Tambitanis Health Centre)の様子をお伝えします。
エンガ州の州都ワバッグから山を登り、下り、一時間ほど進んだところに
きれいな水色の診療所が見えてきます。

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担当の看護師さんのお話では、ここの診療所が担当している人口は約25,000人。
診療所に働くスタッフは、看護師さん1人とコミュニティ・ヘルス・ワーカーと呼ばれる
日本の准看護師さんのような方4人の計5人。
ここの診療所にも医師や助産師さんはいなく、
この5人で一般外来から小児外来を診ているそうです。

こちらでも通常の診察とは別に、モバイルクリニックを行っていました。
月に1回、13か所で行っているそうです。
彼が、主にモバイルクリニックを担当しているメックさん。
コミュニティ・ヘルス・ワーカーです。
彼には、私たちのプロジェクトのテクニカル・アシスタントになっていただきました。

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このモバイルクリニック、すべての場所が車で1時間ほどかかる地域なのですが、
現在この診療所には車がありません
毎回、近くの病院の救急車か、保健局の車を借りてクリニックを行っているのだそうです。
クリニックの日は、朝5時半に出発するとか。
車が手配できなければ、ワクチンを持って
5時間かけて徒歩でクリニックに行く日もあるそうです。

もしも自分がこの診療所の看護師だったら、彼と同じことが毎月できるだろうか・・・
彼の地道な活動に、本当にあたまが下がりました。
彼のようなかたに、テクニカル・アシスタントになっていただけたこと、
本当に嬉しく思います。

そんな素晴らしいスタッフがいるこの診療所ですが、
政治的な背景から、いろいろな問題点もあるようです。
まずは、分娩室と産前健診のためのお部屋。

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カギがかかっていて開きません。
理由を聞いてみれば、以前この地域出身の方が郡の議員だった時に
地域の人々を雇い、診療所を建設したそうです。
ただ、完成と同じ時期に郡の議員選があり、別の地域の方が当選してしまったとか。
そして、3年経ったいまも、この診療所の建設費用は支払われていないそうです。
建設を担当した村の人々が、当時のお給料を支払うまではここのカギは渡さないと
カギをもって逃げてしまったのだそうです。

そのため、診療所には分娩室がありますが、カギがかかっていて使用できません。
カギを壊して使ってしまえば良いのでは、と思われる方も多いかもしれませんが
そういった「ちから」で解決しようとすると、それを「ちから」で返そうと、
部族闘争が起こりかねない
のです。
診療所が焼き打ちにあう可能性もあります。

そのため、診療所のスタッフは、州や郡への働きかけをするとともに
カギをもって行ってしまった当時の労働者のご家族と
地道に話し合いを続けているのだそうです。

一見、単純にも見えるこの分娩室の「カギ」。
裏には政治的な背景や、部族間の対立の強いパプアの古くからの文化や習慣が隠れているのです。

ということで、カギの開かない分娩室の代わりに分娩を行っているのはこの部屋。
ベッド以外何もありません。。。

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産前健診を行っているのは、段ボールの上のマットだそうです。

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部屋が使えなくても、なんとか診療を進めようとしている彼らの姿勢に
本当にすごいな、と思い、涙が出そうになりました。
もう少し器材がそろうといいですね。

その他にも、ポンプがきちんと設置されていない雨水タンクや、
診療所まで配線がつながっていない発電機など、
中途半端な設備がいくつもありました。

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お金さえ持っていけば、配線工事をしたり、ポンプを新たに設置することは
簡単にできるかもしれません。
でもそれは、根本的な解決にはならなくて、また同じことが起きないとは限りません
応急処置も大切ではありますが、それだけではだめなのです。
私たちは、常に私たちが去った後のことを考えて活動を進めていかなくては
数年後には活動の意味がなくなってしまいます。

また、特に「カギ」の問題は、なんとか解決したいと思っても、
私たちの活動で解決できることの範囲を少し超えています。

このような問題については、どのようにしたら保健医療サービスを
政治的な圧力から切り離すことができるのか

それが難しいのであれば、だれの管轄になれば同じ問題が起きにくいのか
州保健局の方々とじっくり考えていきたいと思っています。

ここで働く看護師さんたちの地域の人々の健康をおもう
熱いこころざしが消えないうちに、
なんとか解決の糸口を探りだしたいと思います。

徐々にですが、やるべきことがたくさん見えてきました。
活動の進捗は、ブログや活動報告会でお知らせいたします。
次回は、この診療所が行っているモバイルクリニックの様子をお伝えします。
それではまた。
Lukim yu gen long sampela taim!(またお会いしましょう)

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美しい山々に囲まれて。
(プロジェクト・マネジャー 寺田美和)



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特定非営利活動法人HANDS(Health and Development Service)

Author:特定非営利活動法人HANDS(Health and Development Service)
HANDSは国際的な保健医療協力を通して世界の人びとが自らの健康を守ることができる社会の実現を目指す特定非営利活動法人(NPO法人)として設立されました(2001年3月2日法人格取得)。活動詳細はHANDSホームページをご覧下さい。

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