「ブラジル新聞」記事第2回
以下
=有料メールマガジン「ブラジル新聞」=
発行日:毎週月曜から金曜(日本時間の火曜〜土曜)週5回、日本語
発行責任者 :ニッケイ新聞社:Editora Jornalistica Uniao Nikkey Ltda.
より抜粋
■アマゾン=河民の生活向上に尽くす=格差社会に挑む日本人
=第2回=陸の孤島マニコレ=遠隔地は半自給自足で
週に三便しか飛ばない十八人乗りプロペラ機で一時間ほど行くと、樹海の真っ只
中に忽然とマニコレ市が現れた。アマゾナス州都マナウス市から南に三百三十三キ
ロ近く、船なら二晩かかる。もちろん、道路はない。
市といっても面積はオランダ国とほぼ同じ、日本なら九州ぐらいの広さがある。
セントロという市街地に二万一千人、マデイラ川沿いの約二百八十のコミュニティ
などに計二万五千人が住んでいる。計四万六千人の人口だが、州内の六十二自治体
の中で六位だというので、実は大きい方だ。
中心街(セントロ)といっても道路に信号もない、エレベーター、エスカレータ
ーもない、二階建ての建物も市役所以外はほとんどない。道行く人の大半は徒歩か
自転車で、まるで申し合わせたかのようにサンダル履きだ。百五十CC程度の小型
バイクも走っているが自家用車は実に少ない。
川沿いにあるコミュニティの多くは十〜六十家族しか住んでいない。彼らのこと
を、ここでは河民(リベリーノ)と表記する。もちろん、道路もない、電話もない、
医者もいない。文明からは遠く離れた場所にある。
◎ ◎
セントロから船で六時間離れたジェニパポ2というコミュニティで生まれ育った
二十歳、マリア・デ・ジェズスさんは「コミュニティはおいしい魚がいっぱい、浜
辺もあるし、ゆっくりした生活がおくれる」という。半自給自足の生活をしている
人が今もかなりいるという。
電気は午後五時から十一時ぐらいまで。百人ぐらい住み、「たいていの家にはテレ
ビがある」が発電する時間にしか見られない。「冷蔵庫がある家もある。でも、昼間
はできるだけ開けないようにしている」。電話はあるが携帯は通じない。
唯一の交通機関は船。週二〜三回ずつ上り、下りがある。若い人はどんどん都会
に出たがる傾向があるが、「それ以上に赤ん坊が生まれているからコミュニティの人
数は増えてるわ」という。
住めば都。テレビのノベーラのような生活をしてみたいと思わないかと尋ねると、
「私は静かな生活の方が良い」と静かに否定した。
同じコミュニティ出身で親戚にあたり、三年前に定森さんに誘われてHANDS
(ハンズ)職員になったジルソン・カルヴァーリョ・ロドリゲスさん(34)によ
れば「月に二回、レガトン(船)がまわってきて、そこで食糧を買う。値段は町よ
りかなり高いが、ここまで来る交通費を考えると、搾取されているとは思うがしか
たない」。河民の大半は「マニコレに出てくるのは年に一回、九月のフェスタの時だ
け」という生活だ。
九月には、町の守護神ノッサ・セニョーラ・ドス・ドーレスの名を冠したカトリ
ック教会で、地域最大の祭りが行われる。衣料品の出店がたくさんでて、それを目
当てに服を買いに来るのだ。
魚は潤沢にとれても、町に出荷するのは遠い。商品作物といえばバナナかマンジ
ョッカが中心。イガラペジーニョというコミュニティで聞いたら、「一週間かかって
作ったファリンニャが、一袋六十レアルで買いたたかれる」という。
市民一人当たりのGDPは、伯国全体で三千三百二十六ドルなのに対し、ここで
は七百五十二ドルしかない。現金収入は貴重だ。(続く、深沢正雪記者)
=有料メールマガジン「ブラジル新聞」=
発行日:毎週月曜から金曜(日本時間の火曜〜土曜)週5回、日本語
発行責任者 :ニッケイ新聞社:Editora Jornalistica Uniao Nikkey Ltda.
より抜粋
■アマゾン=河民の生活向上に尽くす=格差社会に挑む日本人
=第2回=陸の孤島マニコレ=遠隔地は半自給自足で
週に三便しか飛ばない十八人乗りプロペラ機で一時間ほど行くと、樹海の真っ只
中に忽然とマニコレ市が現れた。アマゾナス州都マナウス市から南に三百三十三キ
ロ近く、船なら二晩かかる。もちろん、道路はない。
市といっても面積はオランダ国とほぼ同じ、日本なら九州ぐらいの広さがある。
セントロという市街地に二万一千人、マデイラ川沿いの約二百八十のコミュニティ
などに計二万五千人が住んでいる。計四万六千人の人口だが、州内の六十二自治体
の中で六位だというので、実は大きい方だ。
中心街(セントロ)といっても道路に信号もない、エレベーター、エスカレータ
ーもない、二階建ての建物も市役所以外はほとんどない。道行く人の大半は徒歩か
自転車で、まるで申し合わせたかのようにサンダル履きだ。百五十CC程度の小型
バイクも走っているが自家用車は実に少ない。
川沿いにあるコミュニティの多くは十〜六十家族しか住んでいない。彼らのこと
を、ここでは河民(リベリーノ)と表記する。もちろん、道路もない、電話もない、
医者もいない。文明からは遠く離れた場所にある。
◎ ◎
セントロから船で六時間離れたジェニパポ2というコミュニティで生まれ育った
二十歳、マリア・デ・ジェズスさんは「コミュニティはおいしい魚がいっぱい、浜
辺もあるし、ゆっくりした生活がおくれる」という。半自給自足の生活をしている
人が今もかなりいるという。
電気は午後五時から十一時ぐらいまで。百人ぐらい住み、「たいていの家にはテレ
ビがある」が発電する時間にしか見られない。「冷蔵庫がある家もある。でも、昼間
はできるだけ開けないようにしている」。電話はあるが携帯は通じない。
唯一の交通機関は船。週二〜三回ずつ上り、下りがある。若い人はどんどん都会
に出たがる傾向があるが、「それ以上に赤ん坊が生まれているからコミュニティの人
数は増えてるわ」という。
住めば都。テレビのノベーラのような生活をしてみたいと思わないかと尋ねると、
「私は静かな生活の方が良い」と静かに否定した。
同じコミュニティ出身で親戚にあたり、三年前に定森さんに誘われてHANDS
(ハンズ)職員になったジルソン・カルヴァーリョ・ロドリゲスさん(34)によ
れば「月に二回、レガトン(船)がまわってきて、そこで食糧を買う。値段は町よ
りかなり高いが、ここまで来る交通費を考えると、搾取されているとは思うがしか
たない」。河民の大半は「マニコレに出てくるのは年に一回、九月のフェスタの時だ
け」という生活だ。
九月には、町の守護神ノッサ・セニョーラ・ドス・ドーレスの名を冠したカトリ
ック教会で、地域最大の祭りが行われる。衣料品の出店がたくさんでて、それを目
当てに服を買いに来るのだ。
魚は潤沢にとれても、町に出荷するのは遠い。商品作物といえばバナナかマンジ
ョッカが中心。イガラペジーニョというコミュニティで聞いたら、「一週間かかって
作ったファリンニャが、一袋六十レアルで買いたたかれる」という。
市民一人当たりのGDPは、伯国全体で三千三百二十六ドルなのに対し、ここで
は七百五十二ドルしかない。現金収入は貴重だ。(続く、深沢正雪記者)

